「春夏秋冬」日本料理の四季は日本独自の文化なんです。
こんにちは Makimikanです。
ご来訪ありがとうございます(*´▽`*)
今回のテーマは「日本料理の季節感を表す四季」
その中で食材の「走り、旬、名残(なごり)」は覚えておきたい言葉でもあります。
簡潔に言うとですね・・・
走り:いわゆる「初物」。食材の出回り始めで、季節を先取りしたもの。
旬:その時期に一番美味しく食べられるもの。
名残:旬は少し過ぎていますが、四季の余韻を楽しむもの。
【日本料理における季節感とは?】
私たちが現在暮らしている日本という国は、特徴として南北に長く、各都道府県や地域により様々な四季があります。
春には桜が咲き乱れ、秋には紅葉が赤く染まる。
夏にはセミが鳴き、冬は雪が降る。
このような国は世界的にみても唯一無二。・・・なんて事はもちろんありません。
極端に北や南の国へ行けば別ですが、日本と同じくらいの緯度にある国には幾らでも同じような「四季」があります。
ですが、私たちが花や木で四季を感じるように、料理や食材そのもの、果ては料理を盛り付ける器や調度品にまで四季を感じさせる事が出来るのは、世界中で日本料理だけが「唯一無二」であると私は考えます。
そこで今回は、秋に旬を迎える食材の「走り、旬、名残」をご紹介致します。
【立秋】りっしゅう
8月は季節的には夏真っ盛りと言った所でしょうか?
しかし暦(こよみ)でいうと8月7日位から立秋となり、料理でも立秋に合わせて、食材やメニューの変更がなされます。
つまり、この時期に入ると夏に旬を迎える食材や、暑さを和らげるような器の選び方に加えて、秋を感じさせる工夫が少し必要になります。
この時に使われるのが「走り」の食材にあたります。
「一例」
走り:松茸、すだち、鰹(かつお)、秋刀魚(さんま)、鮭(さけ)等。
旬:枝豆、かぼちゃ、茄子、セロリ、福子(スズキの子)、鮑(あわび)等。
名残:みょうが、蓼(たで)、杏(あんず)、鯵(あじ)等。
【処暑】しょしょ
8月23日頃からは暑さが少し和らいで来る頃。この頃になると、体感的にも夏の終わりを感じさせます。
料理に使用する食材も秋らしいものがかなり増えてきます。
「一例」
走り:里芋、柿、舞茸、松茸、カマス、ブダイ等。
旬:りんご、梨、イボダイ、縞鯵(しまあじ)、鮭(さけ)鰹(かつお)等。
名残:茄子、かぼちゃ、ゴーヤ、鮎(あゆ)、鰻(うなぎ)等。
※鰻の旬は本来であれば冬ですが、夏のイメージが定着しています。
【白露】はくろ
9月8日を過ぎる頃は「白露」。本格的な秋の到来は「草花に朝露がつくようになる」という意味があるそうです。
スーパー等の小売り店では、キノコ類も少しずつ出始めます。
「一例」
走り:栗、本しめじ、里芋、栗、鯖(さば)、
旬:梨、ぶどう、かぼす、イボダイ、秋刀魚、かんぱち、太刀魚等
名残:茄子、冬瓜、胡瓜、オコゼ、縞鯵、子持ち鮎等。
【秋分】しゅうぶん
9月23日を過ぎると「秋の七草が咲き揃う頃」と言われ、春分と同じく、昼と夜の長さが同じになる時期でもあります。
「一例」
走り:ごぼう、サツマイモ、馬鈴薯(ばれいしょ)、ほうぼう、金目鯛等。
旬:栗、松茸、本しめじ、里芋、秋刀魚、鯖、鯉(こい)、かます等。
名残:明日葉、イチジク、茄子、鱧(はも)、車海老等。
【寒露】かんろ
10月8日頃は晩秋から初冬にかけての暦。
長雨が終わり一番秋の深まりを感じる頃です。北国や標高の高い山間部では、紅葉もそろそろ色付く時期ですね。
「一例」
走り:ごぼう、蕪(かぶ)、大豆、銀杏、かたくちいわし等。
旬:栗、松茸、サツマイモ、馬鈴薯、ほうぼう、秋刀魚、鯖、ほっけ等。
名残:イチジク、茄子、かます、カワハギ、鱧等。
【霜降】そうこう
10月23日を過ぎる辺りには、秋が終わりを告げて、冬の始まりを予感させる頃。
肌寒さが増して、銀杏の色も変わり始めます。
「一例」
走り:ごぼう、冬大根、蕪、黄柚子、鰤(ぶり)、モクズガニ、牡蠣(かき)等。
旬:銀杏、りんご、マッシュルーム、鯖、鯉、するめいか。
名残:ぶどう、松茸、スダチ、かます、太刀魚、真鰯(まいわし)等。
これらはあくまで一例。
地方によって気候は異なるので、食材の旬も変化していきます。
日本料理とは、色彩、香り、味に加えて、提供する側は旬の食材や、器で季節感を表現するもの。
更に、調度品で雰囲気を作り出し、料理を楽しむ人の想像を膨らませます。
「四季は何処の国にもある」
ですが、日本料理こそが世界に類を見ない「唯一無二」の存在だと言えます。
Makimikanでした。