懐かしい故郷のおふくろの味を再現したい。
これは、日本人であれば誰でも欲する当然の欲求でもあるでしょう。
・・・そもそも故郷の味って何なんでしょうか?
良くそれぞれの地方で作られる郷土料理、名物料理、または一時流行したB級グルメ等。
私が住む四国であれば、愛媛の鯛めし、香川の讃岐うどん、高知の鰹の塩タタキ、徳島の徳島ラーメン等も故郷の味。
・・・でもね、そうじゃない。
鰹の塩タタキは高知県から出て来た人には、懐かしい故郷の味かもしれないが、滋賀県や群馬県から出て来た人にとっては、むしろ珍しい物でしかないのである(当たり前です)
そうじゃなくて、私は全国津々浦々の人が認める「懐かしい故郷のおふくろの味」は
「芋の煮っ転がし」しかあり得ないのではないのか。
・・・と勝手に分析し、勝手に考え、そして作る事にしました。
・・・というわけで
【芋の煮っ転がし作るぞ】
その前にお芋の選別をしたいと思います。
里芋派とじゃが芋派に分かれる事が多い「芋の煮っ転がし」ですが、今日はじゃが芋で作りたいと思います。
じゃが芋と言っても大まかに分けて2種類。
メークインと男爵イモです。後は採れる時期により、小粒で皮の薄い新じゃがや、キタアカリ、インカの目覚め等のブランド芋もありますね。
「メークイン」:長卵形で全体的に黄色い物が多い。ネットリとした食感と甘味があり、煮崩れしにくい品種。カレーや肉じゃが等はこちらが向いている。
「男爵イモ」:デンプン質が多く、ホクホクとした食感。形は丸くゴツゴツした物が多い。火が入りやすいので、ポテトサラダやコロッケに向いている。
「新じゃが芋」:新馬鈴(しんばれい)とも呼ぶ。春先に出回る事が多い。皮が薄く水洗いして、そのまま調理する事も多いかと思われますが、必ず芽や緑化した部分は取り除きましょう。「ソラニン」と言う毒性の物質が含まれており、この「毒素」はサルモネラ菌等の「細菌」と違い、加熱しても分解されません。特に耐性の弱いお子様やお年寄りには気を付けてあげて下さい。
・・・ではでは
【芋の煮っ転がし作るぞ】
その前に、じゃが芋の起源を 解説しますね。
じゃが芋の原産は南米アンデス山脈の高地と言われ、16世紀にはスペイン人によりヨーロッパにもたらされました。日本にはオランダ船によりジャカルタ港より運ばれた物が最初です。
北海道が最大の生産地で春に植え付けて夏の終わりから秋にかけて収穫される。九州地方では、冬に植え付けて春に収穫する二期作が行われる。
つまり、南米で16世紀頃に栄えた「インカ帝国」から日本へやってきた訳ですね。
よーし!
【芋の煮っ転がし作るぞ】
お待たせしました。では、いよいよ「おふくろの味」を再現したいと思います。
じゃが芋は近所のタバコ屋のおばあちゃんから頂いた物。
小さめの男爵いもですね。
水洗いして皮を剥いていきます。
胡麻油を入れて炒めていきます。
ある程度炒めたら、お酒を入れて、水もひたひたに浸かるまで入れます。
水が沸騰してきたら、砂糖を加えて落とし蓋をします。
ある程度火が入ったら、みりんと醤油、だしの素等の調味料を加えて更に煮込みます
。
汁気が無くなるまで転がしながら火を入れていきます。
汁気が多いと「芋の煮っ転がし」で無く、唯の「芋の煮付け」になるので細心の注意を払って下さい。
【芋の煮っ転がしの作り方】
「材料」
じゃが芋
水:適量
酒:100㏄
濃口醤油:50㏄
みりん:50㏄
砂糖:50g
かつおだしの素:10g
味の素:10g
胡麻油:適量
※ポイント:大別すると、じゃが芋も大根やレンコンと同じ根菜類ですが、煮含めた後に自然に冷ます事で美味しくなる「煮物」とは違い「煮っ転がし」は煮えばな(出来立て)が美味しいものなので、熱い内に食べたい所ですね。
ここから我が家の晩ごはん
「若姫牛のガーリック炒め・胡麻ソース添え」
若姫牛とは、長期に渡り穀物のみで飼育した、遺伝子組み換え飼料未使用の牛の事らしいです。
何か右下に「メキシコ産」と思いっきり書かれていましたが、レジで更に2割引きでしたのでスルーしました。
何でしょうね?「若姫牛」って・・・
昨日の残りの生姜ごはん。
白菜のスープ。かたくり粉で軽くとろみをつけて、ブラックペパーを効かせました。
そして、お待ちかね「芋の煮っ転がし」
さあ、これが「芋の煮っ転がし」です。
「芋の煮つけ」で無く「芋の煮っ転がし」です。
いや、美味しいのですが、しかし・・・
・・・何でしょうか?
恐ろしい位地味なビジュアルなのですが・・・
勢いと インパクト度で言えばこれの対極に位置するレベルですかね。
果たしておふくろの味は再現出来たのでしょうか?
よくよく思い返せば、私の記憶では母に「芋の煮っ転がし」を作って貰った事は一度もありませんでしたが・・・
Makimikanでした。