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【数の子】今年の〆に京風の美味しい漬け方 「水出し昆布➡一番だし➡二番だし➡追いだし➡仮漬け➡本漬け」

 

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あっという間の一年間でした。さようなら2016年

 

こんにちは makimikanです。 ご来訪ありがとうございます(*´▽`*)

2016年の大晦日がやってまいりました。

今年の最後は【数の子】で締め括りたいと思います。

 

さて、数の子は「おせち料理」と言えば・・・と言われる位の人気者ですよね。多分・・・

今回は数の子の美味しい漬け方、和食の基本のお出汁の取り方などを、解説していきます。

 

 

【数の子とは】

数の子とはニシンの魚卵(卵巣)の事で、子宝、子孫繁栄を願う「祝い肴」の一つ。

おせち料理では黒豆や田作りと共に「一の重」に入る。

本来はカラスミ(ボラの卵巣)等と同じく、干したもの「干し数の子」を指します。

 

干し数の子は味は良いのですが、高級品である事。 

更に、乾燥状態から戻すのに非常に時間と手間がかかる事などから、一部の乾物屋から料亭などに卸される位で、殆ど一般には流通はしていません。

 

そうそう、こういうの。  100g、17800円

 

む!?

・・・

 

むむう・・・

 

う~ん? なるほ(;・∀・)

 

いや、やっぱ、ある程度需要もあるんだろうな・・・

 

・・・そりゃ水でもどすから、膨らむ訳なんだけど 

 

17800あれば近所のラーメン屋に20回位は行けるな・・・(´・ω・`)

 

 

 

さて、 小売店で見かけるのは「塩数の子」と、味の付いた既製品「味付け数の子」が主流になってくると思います。

 

そこで今回は「塩数の子」の戻し方と、漬ける出汁の手順を解説しますね(・∀・)!!

 

 

【まずは塩抜きから】

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まずは数の子の塩抜きから。仕込みには大体3~4日を目安として考えておきます。

「たて塩」に一晩浸して塩抜きします。

たて塩とは3%弱の塩水の事で、海水よりもやや薄め。

 

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二日目。 一度水洗いした後、今度は白水に浸します。

「白水」とはお米のとぎ汁の事。

数の子の「薄皮」を浮き上がらせ、クセやえぐみを和らげます。

 

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薄皮は親指の腹を使って、端から徐々に剥がしていくと簡単に取れます。

この後もう一晩、今度は真水に浸けておきます。

 

 

【数の子の漬け汁】

味自体は特にこれと言った決まりはないですし、既成品の「ほんだし」や「そばつゆ」でも良いのですが、今回は京風の味付け「水出し昆布➡一番だし➡二番だし➡追いだし➡仮漬け➡本漬け」の手順で仕込みたいと思います。

 

まず、用意するものは昆布40gと鰹節80g水2ℓ

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もちろん、昆布もかつお節も、そこら辺で手に入るもので十分ですよ。

 

【水出し昆布】

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昆布は水に浸けて一晩冷蔵庫で保管。

料理屋では大量のお出汁を引くので、「水出し」をする必要が殆どありませんが、家庭では少量の分量で作る事になるので、水出しは必須の工程です。

 

和食の基本のお出汁の引き方は、大まかに分けて3通り。

1:一番だし

2:二番だし

3:追いだし(追い鰹とも)

 

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昆布水は翌日火にかけて、沸騰する前に昆布を取り出す。

その後完全に沸騰させたら、火からおろして(少し温度を下げて)かつお節を40g加えます。 

塩をほんの少し加えて、「アク」をおたま等で掬い取ったら、布漉しかキッチンペーパーで漉します。

漉した鰹節は強く絞らない。

 

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透き通った黄金色のおだし。 

ここまでの工程が一番だしで、お吸い物などの椀物に使います。

 

次に漉したかつお節と昆布を、同じ分量の水で10分程煮たてます。

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グツグツと中火で加熱して、同じ様に漉す。

 

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これが二番だし。煮物なんかに使うのは主にこれです。

 

今度は一番だしに調味料を加えて、再度加熱。

調味料の割合はお好みで構わないのですが、今回は(だし1600㏄、お酒80㏄㏄、味醂120㏄、薄口醬油200㏄)にしました。

 

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沸騰したら、残りの鰹節40gを加えて、軽く煮込みます。

 

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これが追いだし。 天婦羅の「天ツユ」などにも使用します。

 

更に先程の「二番だし」にも、少し薄めの味付けを施しておく。

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完全に冷ました後は、「二番だし」に数の子を漬けて冷蔵庫で一晩置く。

この工程が「仮漬け」

仮漬けに使用した二番だしは、お鍋や煮物等に活用できます。

 

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そして最後に「一番だし」に漬けこむ。

これが「本漬け」 香り付けに、刻み柚子も加えました。

 

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一晩漬けて「数の子」の完成です。 

 

 

今年一年ありがとうございました。

それでは皆様、良いお年を(*´▽`*)