料理の基本は塩である。
今回は料理の基本を学びましょうという事で、味の基本である塩の使い方を解説していきたいと思います。
塩とは塩化ナトリウムを主な成分とし、海水の乾燥、岩塩の採掘によって生産される物質です。
人体における塩の役割はとても重要で、体内の水分量をコントロールして栄養をバランス良く吸収する役目があるそうです
狩猟民族が出てきて動物の肉を、たき火で焼いてそのまま食べる映画のシーンがありますが、私の長年の疑問は・・・
「それって絶対美味しくないよね」
というものでした。
調べた所によるとその時代の人たちは、塩分を含む内臓や骨の髄まで食べていたらしく、塩を摂取する必要性が無かった。という事なのですが、私の疑問は
「でも、美味しくはないよね・・・」
・・・でしかありません。
実際試して頂きたいのですが、肉や魚を焼く時に塩を振らずに焼いてみて下さい。
どんなに高級なお肉でも美味しいとは思えないはずです。
私たちの現代の食生活において、塩という世界共通の調味料は欠かせる事が出来ない物なのです。
【塩の種類】
塩には大まかにわけて、「岩塩」「天日塩」「せんごう塩」の3種があります。
一般的な家庭であれば天日塩を加工した精製塩を使う事が多くなると思いますが、
サラサラしたお塩で扱いやすいのが特徴ですよね。
その中でもミネラルを含んでいる物。またはミネラルの表記ではなく
「カリウム」「マグネシウム」「カルシウム」を含む塩の方が味が柔らかくオススメですが、調理法によって使い分けるのがベストでしょう。
【調理理論においての塩の役割】
➀味付け:・・・これはそのままですね。単純に塩味を付ける。
例えば生野菜をそのままかじっても青臭くて美味しくないですよね。
でも塩を一振りするだけで味覚はガラッと変化するはずです。塩をかける位ならドレッシングやマヨネーズの方が美味しいと思われるでしょうが、当然どちらの調味料にも塩の成分(塩化ナトリウム)が使われています。
②味の浸透率を高める:和食のなます等がいい例でしょうか。
大根や人参、かぶ、キュウリ等で作るなますは、初めに塩もみをする事により次の段階で甘酢に漬けると水っぽくならずにまろやかに仕上がります。
次はパスタ。パスタを茹でる時には塩を入れますよね。
「塩は何の為に入れているのか分からないけど、みんな入れてるし本にも書いてあるから」とか「パスタに味付けする為でしょ」とかありますが。
実際にパスタに下味を付けるというのはあながち間違いではないですが、これもパスタにからめるソースとの塩分濃度とのバランスを保つためであり、味が馴染みやすくなるからです。
③臭みをとる:特に魚介類においては威力を発揮します。
調理法としては「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」等がありますが、塩を振り30分から1時間置程置き、ペーパータオル等で食材から出た水分をふき取り調理する。
これだけでも相当な変化がみられます。
※この時振る塩はあくまで臭みを取るもの。味付けの工程はまた別になります。
④身質を引き締める:これはお魚の煮付けを家で作る時等に経験した事があるでしょうか。
特に新鮮な物であればある程、見事に煮崩れるかと思います。
新鮮なお魚は身割れが起こりやすく、できれば冷蔵庫で1日寝かせてから調理してもらえると良いのですが、この時も軽く塩をして置く事で仕上がりが断然変わってきます。
また、新鮮なお魚をお刺身で食べる場合では、そのまま食べて歯応えを楽しんで頂いても良いのですが、軽く塩を当てて1時間置いたものと1日置いたものとではまた違った旨さがあるものです。
まだまだ塩が持つ効力はありますが、醤油にしろ味噌にしろ元は塩からです。
塩は味付けの基本中の基本であります。
例えばお寿司に使うシャリ(酢飯)がありますよね。
酢飯の基本は白飯に「塩」「砂糖」「酢」を混ぜる。
たったこれだけです。
では「塩」と「酢」だけを白飯に混ぜて食べるとどうでしょうか?
・・・分量さえ上手く合わせればそこそこ食べる事が出来ると思われます。
これは「塩」と「砂糖」でも同様です。
では「塩」は抜いて「砂糖」と「酢」だけではどうでしょうか?
食べて見て下さい。
「・・・・・・・・・・⁉」
言葉も出てこない位の
もはや味付け以前の代物が出来上がる事でしょう。
まさに、「塩を制する者は料理を制する」ですね。
今日は最後に黄身酢の作り方を書いて置きます。
黄身酢とは卵の黄身とお酢を合わせた調味料で和風のマヨネーズのようなもの。
サラダオイルを使わない分あっさりとして体にも良いでしょう。
魚介類や夏野菜(オクラ、キュウリ、茄子等)と相性が良く、色も鮮やかです。
【用意する物】
➀卵黄:3個
②酢:20㏄
③塩:小さじ2杯
④煮切りみりん:20㏄
※みりんに火を入れてアルコールを飛ばした物。みりんを1本購入したら煮切って保存しておくと良い。
⑤味の素小さじ1杯
【作り方】
きれいなボウルを用意する。(できればステン製ではなく透明なガラスボウル)
大きめな鍋にお湯を沸かす。
ボウルに➀から④の材料を入れてホイッパーで良く混ぜる。
(油が入るマヨネーズと違い、分離する心配はありませんが、仕上がりが滑らかになるように良く混ぜて下さい)
ホイッパーからゴムべらに変えて、ボウルを湯煎にかける。
こねるように混ぜていると、だんだんなめらかになってくるので、
引き上げ冷水で粗熱をとります。
仕上げに⑤を加えて完成。
※注:熱を加え過ぎるとボロボロになります。冷やす事により粘度が変わるので気を付けて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
Makimikanでした。