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うなぎ物語 第二章 ~ダムの謎~

夏の風物詩うなぎは日本人の心である by:Makimikan

 

どうもMakimikanです。

 

前回はウナギのお話しから何故かカレーになってしまったので改めて執筆致します。

 

ウナギって美味しいけど本当に不思議なお魚ですよね。

ウナギ:ウナギとは、ウナギ科、ウナギ属に属する魚類の総称である。世界中の熱帯から温帯にかけて分布するニホンウナギオオウナギヨーロッパウナギアメリカウナギ等18種がある。

 

 ちなみに南米アマゾンに潜む電気ウナギは別の種類らしいです。

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デンキウナギデンキウナギ目ギュムノートウス科デンキウナギ属に分類される硬骨魚類の一種。強力な電気を起こし多くの人間にとって、この電気は危険である。

ギュムノートウス科の意味は良くわかりませんが、テラフォーマーズで言えばマーズランキング2位と言った方がわかりやすいでしょうか?

 

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熱い展開を見せてもらえます。

 

 

 

話が脱線しそうなのでウナギの話に戻りますがウナギの生態って皆さんご存知ですか?

 

今、ニホンウナギ絶滅危惧種に指定されています。個体数の減少は乱獲が原因の一つだと視られているようですが、生態は謎が多くはっきりとした事はわかっていないようです。

 

ニホンウナギの子供はシラスウナギと呼ばれ海(太平洋のマリアナ海域辺りらしいが定かではなく、日本海に向かっていく個体もいると思われる。)で孵化し川を遡上して来ます。

 

つまり海で生まれて川で生活し、また海へと帰って行くのです。

 

私が以前勤めていた料亭では、夏の焼物の主役はもっぱらこのウナギと鮎でした。

 

鮎は地元、愛媛県面河の清流でとれた天然物。

 

ウナギは高知四万十川の支流にあたり、愛媛県側にながれる広見川の物。

 

ただ、私が初めて天然の川ウナギを食べた印象は、身が固く(引き締まっているとも言います)パサパサした感じがする。

 

確かに川魚らしい風味と食感。繊細で臭みは無く旨味もしっかりとあり、炭で焼くと素晴らしく香ばしい香りがします。

 

たぶん調理法というか世間一般でいうかば焼き。コッテリした甘いタレが合わないのでしょうね。

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実際、捌いた後に軽く塩を振り一晩寝かせる。これだけでも身質の食感はかなり変化してきます。

 

後はそのまま白焼きにして醤油とワサビで食べるか、甘さを控えたタレで焼くとウナギの味が引き立ちます。皮目は少し焼き過ぎ位で良いと思います。

 

私が子供の頃は、スーパーで売っているかば焼きが主でした。

 

何年かに一度街のうなぎ屋さんに両親に連れていってもらった記憶はありましたが、仕事を始めてから広見川の天然物と養殖物の味の違いに驚かされました。

※うなぎ屋さんは余程こだわっている店でなければ、ほぼ国産の養殖物の可能性が高い。

人それぞれだとは思いますが、私は養殖物の方が脂が乗り身がふっくらとしているので好みです。

 

養殖というのは完全養殖では無く、業者さんがシラスウナギを購入して育てていきます

 

養殖で有名な所と言えば浜名湖等がありますが、天然のウナギは湖や池等にも住んでおり、これらも川や海と繋がっていれさえすれば問題はありません。

 

さて、この天然ウナギですが、もう1種類生息している事は皆さんご存知でしょうか?

 

若い頃の私は知識も浅く、うなぎ屋さんで扱う90%以上が養殖ウナギとは知らず天然物との味の違いに唯々驚くだけでしたが、同じ職場の上司が

 

「ウナギを釣ってきた」というのです。

 

当然若手である私が調理して皆の賄いとする訳ですが、その姿を見て唖然となりました。

 

まず色が違う

 

広見川のうなぎと養殖物ももちろん色は違うのですが、明らかに別物。なんか黄色いし。

 

姿形はスマートさの欠片も無く、ずんぐりむっくりというかぼってりしている。

 

私「・・・どこで釣ってきたんですか?」

 

上司「ダムだよ」

 

上司はダムで釣ってきたという。市内にある石手川ダムらしいのだが、そもそもダムにウナギっているの?

 

当時はネットで直ぐに調べられる訳でもなく、情報は専門の本で調べるか、人に聞く位しか出来なかったと思うのだが、取りあえず食べて見る事にした。

 

旨い

 

初めて食べる旨さである。これも天然物には違い無いのだが、脂も乗っており、身がふっくらとしている。

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いわゆるこれが陸封型のウナギであり、市場にも出回る事は無いまさに幻のウナギと言えるでしょう。

 

海で生まれ川で育ち海で孵化するウナギが何故ダムにいるのか?

ダムの中で孵化しているのか?

 

未だに生態があまり解明されていないウナギですが、ダムの個体が非常に美味と言う事だけは分かって頂けたと思います。

 

Makimikanでした。